昨日から明日へ

前農水大臣の山田正彦さんは政治家にして弁護士。
雑誌編集者にして文筆・小説家でもあります。
東北関東大震災で家族を全てなくされた友人への言葉。
「人間は哀しみや絶望を乗り越えて明日へと向かう」
そんな決意が書かれてあるメルマガを読みました。
詳細は文末にあります。
今朝も雪。
寒い日が続きます。
春の雪
森と海が出会う恵みの場所<汽水>へ。
「森は海の恋人」の世界を訪ねて、畠山重篤さんの著書です。
日本汽水紀行
第4章には「北越雪譜」に魅せられて鮭のくにへ。
奇跡の生還をされた著者サイン入りの本です。
終日、餅つきでした。
山田正彦メルマガを紹介いたします。
山田さんは世に悪評の小沢一郎一の子分?です。
いつもながらの名文ですね。
心を打つ文章です。
☆第137回 山田正彦メルマガ☆

2011年3月14日(月曜日)のブログより


津波の恐ろしさに息を呑んだ

津波の恐ろしさには息を呑んだ。
一瞬にして万余を越える人を飲み込んで、家屋数千軒を破壊して
しまった。ことにみちのくの町々は壊滅の状態に陥った。
確か、同僚の衆議員、黄川田徹さんが陸前高田市の出身ではなかったか。

電話を入れる。

「山田さん、私の父母も妻も、娘息子2人も行先不明です。5人とも波
にさらわれたのでしょう」
と淡々と答える。

「・・・・・・・」私は絶句した。

改めて思い知らされた。
大自然の営みに、人間の小さな知恵、技術ははるかに及ばない。
人間は太古の昔より自然の前に伏して、ただ神に祈るしかない。
・・・・・・・それでも人間はもう一度、廃墟の中から立ち上がる。

黄川田さんも
「嘆いてもおれないので、皆のためにこれからがんばります」
ときっぱりと語った。
こうして、虚しさに耐えて、人間はせっせと動き始める。

動いているうちに小さな目標から、より快適な暮らしを求めて限度のない
技術の開発に挑む。それが人間では制御できなくなる怖れがあっても。挑
戦を続けてきた。

福島原発1号機の爆発は世界を震撼とさせた。私も驚いた。
あのスリーマイル島の原子炉の空炊きのこと、さらにロシアのチェルノブ
イリの爆破事件の悪夢が重なってきた。チェルノブイリでは遠く8000
キロ離れたところまで死の灰、セシームは届いている。
事故があって既に30年も経っているのに、いまだに炉心からは放射能を
発散続けて30キロ圏内は立ち入り禁止されている。
福島原発にもしものことがあれば、少なくとも10万人を越える人が住ん
でいるところを失うことになる。さらに多数の人が被爆して後遺症で苦し
む惨状が生じることになってしまう。
今、そのような事態にならないよう、懸命の努力を続けている。私たちは
ただ祈るしかない。

・・・・・・・・原子力発電の安全に対する神話は崩れ去った。我々は
「怖れ」を知らなければならない。
ドイツが原子力発電を廃して、風力太陽光発電、自然再生エネルギーに政
策を転換して久しい。

3年前にドイツの黒い森に林業の視察に入ったとき、山奥の1軒家でも必
ず屋根に太陽光パネルが必ず施されていることに驚いた。しかも、真新し
い石油ボイラーをそのままにして、薪でのボイラーを新しく利用始めてい
た。風力発電も、ようやく日本でもいろんなところで見られるようになっ
てきた。

今や世界の風力発電だけで原子力発電所、福島型の100万キロワットに
換算して194機分が稼動している。(2010年末のデータによる)
原子力発電所も必ず寿命がくる。廃炉にするにしても兆円単位の費用がか
かることを考えれば我々はドイツに学ばなければならない。
ドイツの原子力発電を止めた勇気は人類として正しい選択ではなかったの
か。
既に稼動している原子力発電所は、今回の津波を教訓に更なる安全対策を
講じて、これからのエネルギーのあり方を抜本的に考え直さなければなら
ない。

ここに東北沖太平洋地震で亡くなられた方々に心から冥福をお祈りすると
ともに、行方不明の方々の無事を心からお祈り申し上げます。

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このページは、が2011年3月17日 08:08に書いたブログ記事です。

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